ESSAYS IN IDLENESS

 

 

Lake Yunoko

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連休を利用して栃木県は湯ノ湖へ。栃木といえば釣りの世界では「フライの聖地 奥日光」「レイクトラウトの聖地 中禅寺湖」など、トラウトアングラーの中では日本有数のスポットとして知られている。そして僕らが向かった湯ノ湖はその奥日光にあり、中禅寺湖のとなりにある、あまり多くには知られていない鱒釣りが楽しめる湖なのだ。

初日はゆっくりとキャンプをして翌日の釣りに備えた。本番は2~3日目で、そこで魚を釣らなければ僕らの買い込んだ食材では食料は持ちそうになかった。釣り上げることを前提としていたため、魚を釣りたいという気持ちはとても強くなった。テントの設営もうまくいき、晩飯の準備を始めようかという段階になって強いスコールがあった。

2日目はウェーディングをしながら、まったりと湖に向かって少し大きめのスプーンを投げ続けた。重さにして3.5~10gほど。沖に向かって新しいタックルでルアーを投げ込みながらトラウトがいないかどうかを探り続けた。途中でまた大雨に降られて釣りができない時間もあったが、少しでも釣りができそうな状況になったらすぐに湖に向かいストイックにルアーを投げ続けた。この日、あたりがありトラウトがかかったのは1度のみで、それもタックルのトラブルのせいでバラしてしまった。その脇で、釣りのうまそうなお兄さんが20匹くらいは1時間の間に魚を釣り上げるのを見ていたので、きっとなにか釣り方が違うのだろうと思った。

3日目、この日魚を釣らなければ晩飯はカップラーメンのみという厳しい状況に追い込まれた。天候は晴れだが水は冷たく日差しも強くない。釣りには絶好のチャンスのような気がした。湖の釣りのいいところは、そこまで疲れないし、景色が気持ちがいいところだ。意気込んで釣りに臨んではいるんだけれど、投げ続けているうちになんだかどうてもいいような気分にもなってくる。投げ続けて肩や手首が少し痛くなったらタバコを吸って休憩したり、湖の水で手を冷やしたりしながら、きれいや空気や水を存分に堪能ができる。この日も、僕らのとなりにいる人達は爆釣(主にレイクハウスのボート置き場前の、特定の場所)で、僕らの釣果はシビアだった。岸際にやってきたイワナの群れを視認して岸線を沿うように小さなスプーンを投げるとようやく1匹の大きなイワナを釣ることができた。結局あたりはいくつかあったものの、自分の持っている装備ではここが限界だったようで二人で二匹の釣果にとどまった。初めての湯ノ湖はだいぶ厳しかった。釣ったイワナはナイフで捌き、長い串のようなものがなかったので煮物にぶちこむことにし、アクアパッツァにしてニジマスやトマトと一緒に食べた。本当は塩焼きが一番良かったのだろうけれど、とにかくお腹が減っていたので美味しく食べることができた。

おそらく僕はこの湖でのトラウトフィッシングにだいぶハマっているだろうと思う。時間の流れかたや、自然の美しさがやはりいい。険しすぎず、簡単すぎず、いろいろなことに思考を巡らせる余地がある。もう少しこの釣りに対して向き合ってみたい。

hiroshi ujiiefishing, camp