ESSAYS IN IDLENESS

 

 

WATER FRONT BLUES FESTIVAL

7月になるとポートランドでは路上や公園でのライブが一気に増える。毎週平日休日問わず、どこかの公園でプロによる演奏が行われている。それはこの街の夏の風物詩として有名で、多くの人達が心待ちにしている。その中でも7月の一週目に開かれるこのブルースフェスティバルはとりわけ有名だ。ウォーターフロントパークというポートランドの中心に位置するこの公園で4日間に渡って開催される。エリザベス・コットンのようなギター弾き語りから、ゴリゴリのロックブルース。しまいにはワールドミュージックもジャズもファンクもなんでもあり、みたいな雰囲気なんだけれど総じて楽しい。いわゆるストリートライブの少し大きいくらいの規模かなと思っていたのだけれど、実際に中に入って見ると数え切れない位の人、人、人。まるでフジロックのグリーンステージを思わせるくらいの混み具合で、おそらく合計1万人くらいは会場にいたのではないかと思うほどだった。みんなビニールシートや椅子を公園の芝生の斜面にひろげ、ゆったりと寛ぎながら音楽を楽しんでいる。思い思いにその場で立って踊っているのは、おじいさんやおばあさんだったりして、年齢なんて全く関係なくみんな音楽を楽しんでいる。ブルースなんて僕が意識をして聴き始めたのは25歳も過ぎたようなころだったと思うのだけれど、小さい子供からギャルみたいなひとたちまでブルースを聴いて楽しんでいるのにも驚いた。革のハットを被ってるいかにも南部風のおっさんがマリファナをふかしてたり、バンダナを巻いた元祖ヒッピーみたいなガリガリのおじいさん、遅れてきたウッドストックといった様相のカラフルなタイダイの服をきたおばあさんがくるくると回りながら踊っていたり、そういう人たちを見ているだけでも楽しすぎる。このフェスには合計で2日間いったのだけれど、Bokantéという名前のアフリカンロックバンドのパフォーマンスが非常に素晴らしかった。もし、ポートランドに旅行する人がいたら、絶対に7-8月の間に行くようにと伝えるだろうなぁ。

hiroshi ujiieday, music