SEASIDE / ASTORIA / MISSISSIPPI STREET FESTIVAL
オレゴンの西側、シーサイドという場所がある。「海のそば」ということではなくて、シーサイドという地名だ。ちなみに「オーシャンサイド」という場所もあるけれど、それもれっきとした地名なのだ。オレゴンの西側は海岸が600キロにわたって続く。多くの映画や小説の舞台になり、ポートランドの人たちにも愛される、美しい景色が広がる。オレゴンの海岸は寒い。水も風もアラスカの方から流れてくるからだとおもうのだけれど、夏だと言うのに冷たい。海水浴を楽しむというより、その強い風を利用して凧揚げを楽しむ人達のほうが多かったように思う。海の家とかは全然なくて、砂浜は広くて白い。ゴミは全然落ちていなくて、砂は粒子が細かくて冷たくて気持ちがいい。夏日の休日だと言うのに人はまばらで、白い砂浜にカラフルな服を着た人やパラソルが点々とみえるのが綺麗だった。残念なことに寒くて長くはいられない。だらだらと寝転がっている家族を尻目に、そこから車で30分くらいのところにあるアストリアという街に移動する。ワシントン州との境にある1マイルほどはありそうな巨大な橋で有名なこの街はオレゴン州の中での有名な観光地だ。グーニーズにも出てくるこの街は小さなポートランドとでも言えそうな小洒落た雰囲気で、街の中にレコード屋やカフェやバーが点在していて過ごしやすそう。時間がなくて見て回れなかったのが残念だけれど、必ずこの街には戻ってこようと思う。この街の丘の上から見える美しい景色を見ながらそう思った。
ポートランドに戻るとミシシッピストリートフェスティバルがやっていたのでちらりとのぞく。路上に並んだ露店に紛れて、いくつかのライブステージが立ち並ぶ。そのステージは店の脇だったり、人の家の庭だったりするわけだけれどだいぶゆるくて雰囲気が最高。人の庭でライブをしていて、その家の家主と思しき人達が玄関前の階段に腰掛けながら聴いている、赤ちゃんを背負ったお母さんや犬も一緒に。スッカスカのヒップホップを聴きながら辺りの景色は夕焼けに染まっていった。