REAL ESTATE @WONDERBALL ROOM
この日で2日連続のWonder Ballroom。待ちに待ったReal Estateのライブは周りを見渡すといつもよりも10代、20代前半の客層が多く見える。彼らはもともとは僕の愛するウィーザーのコピーバンドをやってたらしいのだけれど(身なりを見ればなんとなく察しがつく)、今ではUSインディー・ギターポップの代表バンドの一つになっていると言っても言い過ぎではない。ライブ前日まで知らなかったのだけれども、2016年にJulien Lynchがギタリストとして加入していたみたいで、2017年に出た新譜ではより浮遊感のあるサウンドに磨きがかかっている。正直なところ2015年までの数枚のアルバムのほうが好きだったから、そちらからの曲を多めにやってほしいと心のなかでは願っていた。
ナード感のあるバンドメンバーが舞台袖から登場するとすぐに演奏が始まる。オープニングの2バンドとは圧倒的に違うサウンドのクオリティ(たぶんPAが意識的に差を付けてる)で、身体の芯に響くバスドラム。音源とは全く違う爆音のギター。これまでCDで聴いていた繊細なギターのサウンドというよりは、むしろシューゲイザーばりの轟音をかき鳴らしている。よく喋るベースのおじさんが小気味よくMCを挟みながら、次々と曲をプレイしていく。昨日見たコーリーのライブは一曲がとても長かったから、彼らのプレイする一曲一曲がとても短く感じられた。新譜「In Mind」の一曲目「Saturday」過去の作品からも満遍なくプレイしてくれたおかげで、素直にライブを楽しむことができた。
今回のライブは全年齢対象のため、バーエリアと通常フロアの間にかなり大きいセパレーションができている。(アルコール購入のできる人と、そうでない若者とを区別するためのエリアが設けれられている)それはちょうど長方形のライブハウスの対角線を貫くような形になっていて、聴衆の配置がとてもいびつになっていた。アンコールが始まる前に
「今バルコニーで見てる人たち、このわけのわからん溝のところに降りてきて一緒に踊らない?」
とバンドのメンバーが呼びかけたけれど、誰も対応しなくて微妙な雰囲気が会場に流れる。ちょっとだけそれがポートランドらしくないなと思ったのだけれど、さすがに仕方のないことなのだろうか?僕の脇や前後で気ままに踊り続けるティーンネイジャーのカバンや髪の毛がばっさばさとぶつかってきてなんとも言えない気持ちになる。そろそろアメリカの10代に対する恨みつらみも溜まってきたのかもしれない。フリークス学園のように生暖かい目で見られたらそれはそれで良いのだろうけれど、、、なんだか複雑な気持ちを胸に抱えてライブハウスを後にした。