ESSAYS IN IDLENESS

 

 

A BOY GOT SHOT

4月、雨がまだ降り続いている寒い日だった。毎日通る公園にキープアウトの黄色いテープが貼られていて、たくさんの警察や報道関係の人たちが詰めかけていた。その時は何が起きたのかわからなかったけれど、隣にいたテレンスが「たぶん誰か死んだかもね」といつものことのようにボソリとつぶやいた。集まっていた警官は警備をしながら笑顔で談笑していた。翌朝になると何事もなかったかのようにテープは取り去られ、これまでと変わらない日常がそこにあった。唯一違うのは、事件現場にぬいぐるみや花が添えられていることだけ。ワシントン州バンクーバーからきていた17歳の少年は、何もない駅前の公園の一角でその短い生涯を終えた。

hiroshi ujiieday