ESSAYS IN IDLENESS

 

 

LVLUP @MISSISSIPPI STUDIO

知人のアサミさんのポートランド生活最後の記念にミシシッピスタジオでライブを見ることを提案したというよりも僕が行く予定だったライブに相乗りする形だったのだけれどこの日の予定はローカルバンドを含むStranger Ranger / Great Grandpa / Palm / LVL UPの4マンライブ言ってみればコテコテのUSインディーギターロックのショーケース最近はヒップホップやR&Bファンクやジャズを取り入れたおしゃれな音楽ばかりがもてはやされる様になってしまったそういいながら僕もしっかりその流れに乗ってしまっているという自負もあり昔の感覚を取り戻したいという思いが少しだけあった初めてLVL UPの音楽を聴いたとき大学生1-2年の頃に聴いていたオルタナティブロックやインディーロックを瞬時に思い出した青臭くて迷いがなくて僕らが好きだった音楽をこの人達も大好きなんだなと感じられる音楽だった

 

ライブが始まると、隣のセイゴ君と目を見合わせる。

「この人達の音楽は最高だね、、、」
「そうだね、ピクシーズみたな感じかな」
「ペイブメントっぽさもあるっぽい?」
「とにかくギターの音がデカくていいね」

僕はこの時猛烈に感動していた。なぜなら、本当に演奏が良かったからだ。音の善し悪しもそうだけれど、若さや自由さに溢れた演奏を聴いていると自分が音楽をやっていたことろ強烈に思い出させられるからだ。「バンドやりたくなるような音」、この言葉が一番適切な表現の仕方だと思うし、一番の褒め言葉じゃないだろうか?これまでたくさんのバンドを見てきたけれど、この日ほど心の中がバンドをやりたいという気持ちでいっぱいになったことはない。

「はぁ、、ベース買おうかな」
「じゃあ今度ポートランドギターセンター行く?」

セイゴ君と喫煙所でいかに今日のバンドが素晴らしい出来だったかを話しながら、メインのアクトのライブに向かう。ステージ上に現れた彼らは今っぽいいかにもヒップスターといった出で立ちだった。ダボダボのネルシャツにニットキャップ、スキニージーンズ。アシンメトリーのヘアスタイルや強くカールのかかったパーマ。彼らのライブは音源よりも遥かにギターロック色が強く、例えるならVelvet Crush(懐かしい、、!)といったところ。曲によって作曲者が違うのだろうけれど、ドラム以外の3人が代るがわるメインボーカルをしていく。ボーカルが変わると曲調も変わる。もちろんアンコールを含む数曲を含めて全ての曲がこっ恥ずかしくなるくらい正統派な、むしろ時代遅れとも言えるギターロックだった。ただ、その一周回った感性に強く心を打たれたのだった。それはこのライブに来た僕と僕の友達全てに共通した感想だと嬉しいのだけれど。

最後に、今日でポートランドを去るアサミさんと、セイゴ君と一緒に写真を撮ってから帰路についた。

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