ESSAYS IN IDLENESS

 

 

GROUND KONTROL (WHAT PORTLANDER USUALLY DO PART1)

これがおそらくポートランダーの心の拠り所、もしくはポートランドの良心とも言うべきゲームセンター。グラウンドコントロール。時代遅れにもほどがあるっていうくらい昔のレトロゲームだけを取り揃えたアーケードだ。ポートランドっぽいことがしたいということで、テレンスとジェニファーにつれてきてもらったのだけれど、これがまあ面白い。

中に入るとアングラな照明と、暇そうな人がまばらにたむろしている。ぶっきら棒な店員にIDを見せて中に入ると以外にもゲームとかをしてなさそうなおばちゃんが真剣な顔でピンボール台を品定めしている。別にどれで遊んだってお金がもらえるわけじゃなかろうに、、、と思いつつも、自分自身アメリカでピンボールをやるということに限りない憧れを抱いていたので25セント硬貨を握りしめて、そのおばちゃんと一緒にピンボール台の品定めをしていたのだった。1970-80年台のアメリカの映画、例えばディア・ハンターでも薄暗いバーで荒々しくピンボール台のレバーを弾いたりだとか、子供がピンボールをするために硬貨を親にせがんだりとか、いろいろな情景が頭の中を駆け巡る。

よし、と心に決めたよくわからないホラーっぽい絵が描かれた台を選び、硬貨を入れる。レバーを弾く。ピンボールが台のあちこちに当たって跳ね返る。そして僕はガチャガチャと台のレバーを弾き続ける。なぜかわからないけれど僕の弾いた玉はレバーとレバーの間に魔法でもかかっているかのように吸い込まれ、僕のピンボール初体験はものの1分も持たずに終わってしまったのだった。僕が2ドル分くらい遊ぶ間に、テレンスはまだ最初の硬貨でプレイを続けていた。これが経験の差ってやつ?とおもったけれど、僕はいくらやってもうまくなれそうな気がしなかった。

その後は昔懐かしいミュータント・タートルズの横スクロールアクションゲームをやって瞬殺されたり、メタルスラッグをやって腱鞘炎になりかけたり、ガンアクションゲームで目がイカれたりしてるうちにあっという間に時間が過ぎていた。

もし、僕がこれから知人をポートランドっぽいところに招待するとしたらこのアーケードを選ぶだろう。おそらくそのうちの90%くらいは気に入らないと思うけれど。

hiroshi ujiie