ESSAYS IN IDLENESS

 

 

WEYES BLOOD @MISSISSIPPI STUDIOS

USインディー好きとしては欠かせないWEYES BLOODのライブ、今回もまたミシシッピスタジオにて。未だに少し馴れないのは周りの人がガンガン話しかけてくることだ。嬉しい半面、BGMも流れているしかなり会話が難しい。ライブ前に喫煙所でタバコを一本吸ってから会場に戻り、フロア前方で待機する。機材のセッティングはバンドメンバーがやっていたけれど、ライブ前には衣装を変えて登場してきた。

このバンドのフロントマンのNatalie Mering、彼女はトーキング・ヘッズのデビッド・バーンを思わせるような奇抜なパンツスーツで現れた。くっきりとした顔立ちと美しい金髪がそのナンセンスな格好と相まって逆に格好がいい。ひとたび歌い出すと、その圧倒的な声量と音域は聴くものを魅了して止まない。意外だったのはMCがとても面白いことだった。女性のアーティストでここまでシニカルでユーモラスなMCを聞いたことが無い。

「私達の曲はこれで最後だけど、まあ私が何言ってるのかわかるわよね?頼んだわよ」

要するにアンコールを自ら催促してるわけだけれども、こんな調子のMCは曲の合間合間でずっと続いていた。

「アンコールの曲は私達の曲じゃないんだけど、これまでの統計だと90%の人は知っているはずよ」
※あとで調べたところ、Soft MachineのCertain Kindだったけれどアレンジが聴きすぎてわからなかった

その緩さと、素晴らしいライブパフォーマンスのギャップが非常に印象的で、ますます彼女のライブを見てよかったなと思う。最後は代表曲のBad Magicを彼女一人で歌い上げて、颯爽とステージから降りていった。

hiroshi ujiiemusic, day