ESSAYS IN IDLENESS

 

 

GENDERS @HIGH WATER MARKS

Genders

Genders

肉を食ってないと出せない音がある。それはバンドをやっていた大学時代から仲間内で話されていたことだった。特にハードコア、及びハードめなミッドウエストエモなんかはその象徴で、音のデカさと重さと頭の悪さ(いい意味で)は普段から脂ぎった肉食生活を送っていないと無理だろうと思う。

ポートランドの外れの方にある、HIGH WATER MARKSはポートランドゆかりのバンドがよく演奏をするライブハウスらしい。近くのバーで素晴らしい夕食を食べたときに、ウェイターのお兄さんがそう言っていた。
今日の目当てはGenders、このバンドはポートランド出身のシューゲイザー/インディーロックバンドで、僕は聴いたことがなかったけれどとても好きなタイプの音楽だ。最前で見たからベースとドラムがかなり大きめに聞こえたけれど、それまで音源で軽く聴いていた印象よりももっと荒々しい感じのサウンドだったように思う。特に、ドラムのぽっちゃりとした黒髪の女の子のドラムが非常にパワフルで、もし自分がバンドをやるならこの子をドラムに入れたいと思った。

そして、ついでにと思ってみたメインのバンド、Meat Bodies。こいつらがまさに肉を食っていないと出せない音を出していた。BPM150くらいのバスドラムと爆音のギター。始まるやいなや観客のボルテージはMAX、ステージ前には半径4メートルくらいのモッシュピットがあっという間に出来上がる。想像してほしい、身長180センチ以上はあろうかという筋骨隆々とした男たちが全力でその中に突っ込んでいく様を。

モッシュピットの中には女性もいることが信じられない。僕は慌ててその場から逃げたしたのだけれど、誰かが振り回したビール缶から飛び出したビールを大量に浴びてしまった。ライブが終わって外に出るとまだ耳の中がキンキンとしている。それは寒さのせいではなかった。

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