ESSAYS IN IDLENESS

 

 

THE HOUSE ON MANGO STREET

学校の先生から個人的に借りたThe House On Mango Street
邦題は「マンゴー通り、ときどきさようなら」。サンドラ・シスネロス著作。

スペイン系移民の貧民の家庭に生まれた少女の視点を通して語られる、家族や周囲の人との短い物語。
筆者のユーモアを通して語られる、愛すべき隣人たちとの日々の暮らし。
必ずしも幸せなことばかりでなく、そのユーモアの影に隠れた移民としての生活の厳しさや、女性差别の実態が薄っすらと見えてくる。
近くにいるものすごく太ったおばあさん、近所の悪ガキや、詩を教えてくれるおばさんなど、様々な人達との交流を通して少しづつ大人になっていく。
僕はこの作者が描写する人々の暮らしが、自分が映画で見てきたような光景と重なることにとても親近感を覚えた。

「自分の家はもっと素晴らしいものになると思ったけれど、やっと引っ越して手にいれたマンゴー通りの家は想像とはかけ離れたものだった。
壁の色も、階段も、お風呂も、お父さんやお母さんが話していたものとは全然違う。こんな家は嫌いだ。」

こんな感じの書き出しから始まる。最終的にこの少女は自分の家を好きになることはなかった。しかし一方で、「必ずまた戻ってくる」という言葉でこの本は終わる。
それが、この国における「家」という概念の一つなんだろうなと自分の中で腑に落ちた気がした。

と、この本を近所のスターバックスでゆったりしながら読み進めていたのだけれど

「このオカマ野郎、地獄に落ちろ!!」

と大声で叫びながら一人の男が店の中に入ってきた。おそらく僕を接客してくれた親切な男性店員に向けた言葉だろうと思うけれど、こうした場面に出くわしたことはなかったので少しショッキングだった。
その男は店内を一瞥するとゴミ箱を蹴散らしながら、店の外に出ていった。

すると、すぐに回りのお客さんが店員さんに話しかける。

「あなた、大丈夫だった?あんなの気にしたらダメだからね」
「はは、ありがとう。僕にできることなんて、気にしないことくらいだよ」

一つ悪いことがあると、またすぐに良いことがある。それがこの街の素敵なところだと思う。

hiroshi ujiieday, book