ESSAYS IN IDLENESS

 

 

SILENCE @HOLLYWOOD THEATER

Hollywood Theater内観

Hollywood Theater内観

遠藤周作の「沈黙」を読んだのは高校のときだっただろうか?
当時は全くよくわからなかったし、そのせいでどんな話かも覚えていない。
今読んでもきっと同じような感想なんじゃないかとも思うけれど、なぜかこの映画はこの場所でみたいと思った。

地元紙の評価ではCランク。(最高がA+で、Cの映画は殆ど見かけることはない)そのせいもあってか、会場は僕と、アメリカ人のおじさんが数人という状態だった。
映画は日本語と英語を交えながら進んでいくけれど、日本語も聞き取りにくいし、英語も単語が難しくて聞き取りにくい。
頭の中にやんわりと浮かんでいる小説の全体像を必死に追いかけながら映画を見ていた。

日本の鎖国時代の行き過ぎた排他性、それが拷問や風習として表現されていて、見ているアメリカの人たちはさぞかし嫌な気分だっただろうと思う。自分の国では過去にこうした愚かな振る舞いが当たり前のように行われていたことも、改めて認識した。社会科の資料集でしか見たことがないけれど、こうして映像として自分の目の前に立ち上がってくると、むせ返るような残忍さが頭にこびりつく。
窪塚洋介演じるキチジローは人間の持つ弱さのメタファーとして描かれていると思うのだけれど、日本人の視点から見ると表現が過剰で違和感がある。

おそらくこの映画は万人には進められないし、おそらく日本にいたら見なかっただろう。
映画が終わった後、なんとなく周りの人から「野蛮な日本人め。。。」と思われているようで心苦しく、急ぎ足で会場を後にした。

hiroshi ujiieday, movie