ESSAYS IN IDLENESS

 

 

LA LA LAND @BAGDAD THEATER

念願のBagdad Theaterでの映画鑑賞一本目は今年度の最優良映画の筆頭候補の「La La Land
Mcmenamins系列の映画館ということで、きっと素晴らしい会場なのだろと見る前から期待が高まる。
この街の映画館は古い建物を利用しているところが多く、そこに座ってスクリーンを眺めているだけでもとても価値がある。
たとえ映画の内容を理解できなかったとしても、空間に漂っている雰囲気を味わえるだけで感動ができてしまう。

実はこの数日前にも、この映画館で同じ映画を見ようとしたけれど、持っていたIDが受け付けられず二度目の来訪になる。
今度こそはと思いながら、映画館の近くで1.5時間ほど時間を潰してから会場へ向かった。
入口には既に長蛇の列ができていて、この映画の期待値の高さを伺わせる。
ビールもポップコーンも買わずに、会場へ入り座席を確保する。なんとか後方の端の席を確保することができた。
広い会場はゆうに300席はありそうで、更にバルコニー席が100席以上はあった。まるで古い映画に出てくるオペラハウスのような印象を受ける。

僕が席についてから5分もすると、次々と人が入ってきて、平日の夜だというのに会場はほぼ満席。
みんなビールを飲みながら今か今かと映画の上映を前のめりでまっている、そんな空気が漂っている。

会場が暗転し、映画が始まる。
いきなり度肝を抜くようなミュージカル仕立てのオープニング。高速道路上で突如始まるダンスシーン。
ざわついていた会場も一瞬で静かになる。終わると会場から大歓声で湧き上がる。
映画を見ながら、まるでライブを見ているかのように会場が一体になっていく感じはこの国ならではなんだろうなと思う。画面の中の一挙手一投足に、会場の反応がついてくる。笑い声やため息が空間に漂っている。
もちろん、映画が終わると会場は拍手で満たされ、その音の隙間を縫って指笛が響く。

会場を後にする観客から「傑作だな」「あー、楽しかった」みたいな声が口々に聞こえてくる。
きっとこうした日常を過ごせるのは、ここポートランドの人でもそうないのではないのだろうか?

この映画についてはいろいろ思うところはあれど、日本でも多くの人に見てほしいと思う。
すぐにダンスをやっている知人にメッセージを送った。

hiroshi ujiieday, movie