ESSAYS IN IDLENESS

 

 

FOREST PARK

ポートランドの市街地にはフォレストパークというとてつもなく大きな公園がある。公園というより普通の山。話によると全長13キロ、2,086ヘクタールにも及ぶらしい。こんな山に、街の中心部からバスで40分程度乗れば行けてしまうというのがポートランドの街の魅力でもある。

天気はあいにくの曇り、そして小雨すらちらつき始めていた。あまりにも公園が大きすぎるので、一番簡単なコースを進んでみることにした。犬の散歩やトレイルランニング、バードウォッチング。マリファナでチル・アウトしながらダラッとしてる人もいる。先日の大雪のせいで木が折れて道を塞いでいたので、「KEEP OUT」のテープが貼ってあったのだけれど、みんなお構いなしに山道に入っていく。

道は雪解け水でぬかるんでいて、スニーカーで来てしまったことを後悔した。山道は川に沿って整備してあり、涼し気な音が聞こえてくる。勾配もきつくなくて、澄んだ空気も相まってどこまでも進んでいけそうな気がする。これで天気がよければなぁと思いを巡らせていると、上裸のトレイルランナーとすれ違う。物凄いスピードで駆け抜けていく彼の身体にはタトゥーが刻まれていた。日本とは違った自由さが、風を伴って自分の脇を通り過ぎていくのを感じた。

山の頂上から(といっても対して高くないんだけど)ポートランドの街を見渡すと、自分が東京に住んでいた頃とあらゆる尺度が違っていることを感じずにはいられなかった。

hiroshi ujiieday, outdoor