ESSAYS IN IDLENESS

 

 

12/24 THE CITY LIGHTS

夜の間、パトカーのサイレンの音がひっきりなしになっていた。
調べたところによると、LAの危険地域では一日あたり3人くらい死んでいるらしい。幸い銃声は聞こえなかったけれど、周りの雰囲気からしてそれも不思議ではない。

バスにのってLACMAへ向かう。クリス・バーデンのCith Lightsという作品があることで知られるこの美術館は、個人的にLAで一番行きたい美術施設だった。そもそもこのクリス・バーデンという頭の狂ったアーティスト(例えば自分の腕を銃で撃ち抜くだけの映像を作品にしたりだとか、、、)の作品が大好きということもあり、実際に見れることが楽しみだった。
※幾つかの作品はYoutubeで見れるので、見てみてほしい

いくつかの企画展は既にチケットが売り切れていたし、見る時間も限られていたので常設の展示でさえ全ては見きれなかったけれど、見ても見ても見きれない量の作品に出会ったのは今回が初めてかもしれない。各ギャラリーが出展しているコンテンポラリーアートのエリアや、1人のアーティストにフォーカスした企画展は素晴らしかった。
今まで名前も知らなかったけれど、Toba Khedooriというアーティストの作品が特に印象に残っている。
白いオイルコーティングを施した大きな大きなキャンバスに、映画館の座席や団地、扉などを鉛筆かペンで質素に描いている。それはある種平凡な風景なのだけれど、どこか風景に見覚えがあったり、自分と親しい視点を捉えているように感じたからかもしれない。白い美術館の壁に白背景の絵が重なるとまるで溶け込んだように見えるし、実物大のような大きさに感じられる。でもどこか非現実的にも見える。近いんだけれども遠いような、現実なんだけれどどこか都合よく歪曲されているような、そしてそういう感性自体が自分にとっては親近感があって素直に好きだと思えた。その他にも素晴らしい作品はたくさんあったけれど、この人の作品は2周回って時間をかけて何度も見た。お陰で係の人に「またあの日本人来てるな、、、」と少しだけニヤニヤされてしまったような気がした。

その後、別に興味はなかったんだけれどもビバリーヒルズへ。
ビバリーヒルズっていう名前を聴くと大体の人はアメリカの80年代ドラマとかを想像すると思うけれど、僕の頭の中にはWeezerのビバリーヒルズが流れていた。Make Believeの中だとこの曲くらいしか知らないけれど、まさに歌詞に書かれているような心持ちですぎゆく幸せそうなお金持を持ってそうな人たちを見ていた。

Where I come from isn't all that great
My automobile is a piece of crap
My fashion sense is a little whack
And my friends are just as screwy as me

I didn't go to boarding schools
Preppy girls never looked at me
Why should they I ain't nobody
Got nothing in my pocket

Beverly Hills - That's where I want to be! (Gimme Gimme)
Living in Beverly Hills...
Beverly Hills - Rolling like a celebrity! (Gimme Gimme)
Living in Beverly Hills...

ビバリーヒルズの中心部へ行くと、大きなクリスマスツリーが見えた。そのせいでこの日はクリスマスイブだったことを思い出した。ビバリーヒルズはキラキラしたナンセンスな照明(それはそれでいい)や、観光客が山ほど乗った路面電車が走っていた。映画のセットによく使われるというたくさんの店や、有名人のサインなどを対して感動もせず流し見たりした。
※アメリカではクリスマスは家で過ごす習慣があるから、たぶんここにいるのは観光客だけなんだろうと思う。

風が冷たく吹いてきて外にいられなくなったので(LAはもっと暖かいと思っていた、、)、デューパーズというダイナーに入る。久しぶりにまともなご飯が食べられるのかも、と思いビーフシチューを注文する。
料理が出てくるまでの間店内を見渡す。ウェイトレスのおばちゃん達が来ている給仕服がとてもかわいい。この店はどうやら結構昔から経営しているらしく、昔の店舗の写真が壁に飾ってある。真っ赤な革張りのソファは少し硬くて、いかにもダイナーらしい雰囲気がしていた。周りのお客さんは家族連れが多くて、和らいだ雰囲気でささやかにクリスマスを祝っていた。子供を肩車するお父さんや、シャンパンを静かに乾杯する老夫婦。
そういう風景は眺めているだけで心地の良く感じられた。ビーフシチューは正直そんなにおいしくなかったけど、幸せな気持ちでダイナーを後にした。

ダウンタウンのホテルは危ないので、少し離れた別のホテルに宿を変える。宿を変える途中、ダウンタウンを深夜に1kmくらい歩かないと行けなかったのだけれども、本気で身の危険を感じる瞬間は何度かあった。
※たぶん通っては行けない場所を通ってしまったのかも

ホテルに戻ると、受付のいい感じにやる気のないお姉さんがサンタの帽子を被って出迎えてくれた。

hiroshi ujiieday, journey, art