ESSAYS IN IDLENESS

 

 

12/21 ANTELOPE CANYON / COLORADO RIVER

朝起きて、モーテルに併設されたダイナーへ行く。
鉄パイプでできた脚と、無骨な鉄板でできたいかにもダイナーらしいテーブルに朝日がガラスの窓越しに落ちてきて美しい。

モーテルの食事はワッフルやパン、シリアルがメインで、朝が苦手な僕にはとてもうれしい組み合わせだった。
急いでシリアルとパンをコーヒーで流し込み、今日の準備を済ませる。アンテロープキャニオン付近を周遊するツアーに出るためだ。

元気の良いガイドさんが運転する迎えのバスがモーテルに乗り付ける。

「私も日本に住んでたことあるのよ!京都最高よね!」
「ちなみに私は運転中めちゃくちゃ喋るけど、気にしないでね(I talk HYPER.)」

そのままシャトルバスに乗ってアンテロープキャニオンへ向かう。
車窓から見える景色が今日も素晴らしい。牛やエルク、馬などの動物が放牧されていたり、ナバホ族の小屋や集落が点在している。
この荒野の美しさと、自然の厳しさは表裏一体のようにも感じられ、「もしここに置き去りにされたら、、」ということを考えずにはいられなかった。

Antelope Canyonに着くまでにたくさんの岩山の近くを通った。
どれもとても大きく、燃えるように赤い。正直なところ、どれがグランドキャニオンと呼ばれていてもまったく違和感を覚えないだろう。

現地に着くと、ナバホ族の若者に連れられてアンテロープキャニオンの中に入っていく。
※Antelope Canyonはツアーでなければ中に入ることができない

ナショナルジオグラフィックの表紙を飾ったことでも有名なこの場所には、様々な国からたくさんの人が訪れていた。
写真にとると、地層がまるでシルクの布のようにヌラリと光り、赤や紫、オレンジなど様々な色に変わった。
触ると冷たく、すべすべとしていて、すごく細かい砂の粒子が指先に残った。
そういえば、エッセンシャル・キリングでギャロがこんな風景の場所に逃げ込んでいなかったっけ?と思いつつ、先に進んでいった。
僕の前にいたベトナム人の学生と思しき人達が、ずっと騒ぎながらセルフィーを撮りつづけていること以外は最高だった。

その後、シャトルはコロラドダム、コロラドリバー、そしてホースシューベンドへと向かう。
コロラドリバーを初めてみた感想としては、圧巻だった。
目の前に広がる全てのもののスケールが桁違いに大きい。
真っ赤な渓谷の中を緑色の川が力強く流れていく。その様子を100m以上の高さから見下ろす。
周りには何もなく、何百マイル先までも見渡せる。どれだけ広角のカメラでも、この景色をすべて収めることは難しいだろう。あまりの凄さに、ただ「すげぇ」としか形容できない自分の語彙力の無さをくやみつつ、いつまでもこの川や渓谷を眺めていたいとおもった。

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