JOAN OF ARC @ANALOG CAFE
日本でアメリカンフットボールを見てから一年くらい経っただろうか?
キンセラ兄弟の片割れ、ティム・キンセラが率いるJoan of Arcをついにアメリカで見る日が来るとは。自分にとってはアメリカを象徴するバンドの一つがJoan of Arcなだけに期待しないほうが無理というものだ。
会場はAnalog Cafe、バーの併設された古びれた老舗のライブハウス。Youtubeの画面越しに見ていたようなインディー感のある観客が、かったるそうにタバコを入口前で蒸している。ガラガラの場内ではオープニングアクトのバンドが素晴らしいプレイを披露していた。前座のバンドが終わると、Joan of Arcのメンバーが舞台袖に現れ機材のセッティングを始める。
思わず、ライブハウスの人がやるんじゃないのかよ!と心の中で思わず叫んでしまう。いい意味で今でもインディー感が残っている。といって良いのか?それを見ているとなんだか自分が大学の頃にバンドサークルで演奏していたときのことを思い出した。Joan of Arcは正直なところ一番音質は悪かった。勝手にアンプの音量を上げたり、無茶なレベルでPAにボリュームアップを要求したり。まるでそれは大学の頃にバンドサークルで演奏していたときの光景のようだった。
実際にバンドと客席の距離感も1mもないくらいで、「本当に目の前にティムがいるな~」と思いながら見ていた。ティムのライブパフォーマンスは本当に気持ち悪かったし、演奏も下手だった。フラフラしながら弾ききれてないリフを気持ちよさそうに鳴らしたり、踊りながら叫んだり。途中で切れた弦を交換しながら無理して演奏を続け、最終的にはギターを投げ捨ててしまっていた。彼らの気が済むまで終わらないノイズは、なんだかんだライブの1/4くらいを占めていた気がするし、その荒々しいノイズが終わると繊細なボーカルが始まる、
「次は俺らの代表曲(Capital Song)だ」
といって始まったのはWhite Outだった。素晴らしいカタルシスだった。耳障りの良いキラキラしたギターのアルペジオに、ナヨッとしたティムのボーカルが絡むと、今まで聴いてきたその曲そのものだった。
「正直なところ、お前らの中に21歳以下のやつどれくらいいる?今日は年齢制限なしだからな」
「おいおい、この"エモーショナルオルタナティブロックバンド"の俺達のライブに若いやつがいないのかよ、、、」
物販にいくとティムが自分でTシャツの手売りをしていたので、ニ三言葉を交わしてめちゃくちゃダサいTシャツを買って帰った。Tシャツはまだ一度も着ていない。