ESSAYS IN IDLENESS

 

 

THE FINEST DAY -WATERFRONT PARK-

ここ数日は雨が降らない。ようやく初夏の到来を感じることができる季節になってきた。学校の終わりにすることがないと、ウォーターフロントパークという川沿いの綺麗な公園にいって、ただ本を読んだり音楽を聴いたりすることが多くなってくる。地面に座りながら、目の前を通り過ぎるいろいろな人達を見ているだけでも楽しいし、いろいろなことに気づくことができる。自転車の量の多さや、人種の多様さ、家族連れやベビーカーからじーっと見てくる赤ちゃん、カップルでランニングをする人たち。気持ちよく昼寝をする人や、日光浴をしながら肌を焼いている人。側転をする女の子(海外の公園に絶対いる)や、フリスビーに興じる10代と思しき集団。犬の散歩をする全身タトゥーのカップルや、華麗にトリックを決めながら滑走するスケーターやBMX。川に眼をやれば自家用ボートで颯爽と駆け抜けるおじさんや、シーカヤックの練習をしている学生たち。自分の前を通り過ぎる人々の背中を眼で追いかけながら、その背中だけでこの国の自由の形がなんとなくだけれどつかめるような気がする。よくよく考えると平日の昼すぎにどうしてこんなに自由にできるのだろうかという疑問が浮かんできて、日本との違いを感じずにはいられない。

だいぶ長いこと公園で本を読んでいたので、いつの間にか木陰が大きく移動していて、気づけば首筋が焼けるように熱くなっているのを感じる。その後、もうそろそろ帰ろうと思っていた頃にテレンスが公園に来た。彼が周囲の人々をスケッチするのを眺めていた。彼のスケッチボード越しに、側転し続ける金髪の白人の女の子を眺めたり、フリスビーを追いかける女の子の揺れる髪が夕日に反射して綺麗だった。こうした光景もそろそろ見慣れたものだけれど、いつかこの光景も見れなくなるのだろうかと思うと少しさびしい気持ちになる。彼の出来上がった絵を見ると、いつの間にかその女の子を眺める自分が描かれていて我ながら本当にかっこ悪いなと少し恥ずかしくなった。

hiroshi ujiieday